就職活動
新卒と留学生の採用の壁
アメリカの大学を卒業すると、留学生にはプラクティカルトレーニングのビザが1年分おりるので、その1年を使ってアメリカで就職活動や仕事に就いたり、また仕事や学校も行かずに滞在することもできます。私は父の想いもあり、4年でUCLAを卒業した後、アメリカで就職する道を選択しました。
日本では、大学3年生から就職活動が始まり、新卒採用に積極的ですが、アメリカでは、4年間で大学を卒業できる学生も稀ですし、卒業が間近になっても、就職活動を始めない学生も多くいます。アメリカの大学では、在学中は学業に専念し、卒業してから就職活動を始めるケースがほとんどです。また、日本企業は、新卒の採用を積極的に行いますが、北米では「経験がすべて」といった考えがあり、新卒枠を設けての採用はなかなか行いません。
また、いろいろな人種が集まるアメリカではバイリンガルの人はたくさんいましたし、トライリンガルの私でも、簡単に雇ってくれるところはありません。まして外国人となると、企業は外国人従業員に仕事ビザを出すためにはさまざまな資料の準備をしないといけない為、留学生かつ新卒の場合、就職はなかなかハードルが高いものです。
上記のこともあり、私もたくさんの企業から断られましたが、諦めることなく、毎日レジュメを送ったり、インタビューを受け続けました。アメリカのほとんどの大学には、キャリアセンターがあり、カウンセラーからレジュメの作成や面接の練習等さまざまなアドバイスを受けられます。私もキャリアカウンセラーからアドバイス頂いたこと、また就職活動をする中で得た経験をもとに、企業の目に留まるようなレジュメの書き方や面接での受け答えなど日々、研究していました。北米の企業から求められるのは、実務経験を重視した、即戦力です。北米の大学を出てそのままその国で働きたいと思っている学生の方は、企業から求められるスキルを身につける為、大学在学中から目標意識を持ってさまざまなスキルや経験を積み重ねていくことが大切です。
大変な時期も
友達と励ましあって乗り切る
就職活動は想像以上に大変で、なかなか上手くいかずにイライラしていました。そんな中、息抜きとなっていたのが、シェアメイトと過ごす時間でした。私は大学4年の時に寮を出て、友達とアパートを借りてシェアして暮らし始めました。すごく古いアパートで、家賃は一人US$350、テレビや家具は先輩から貰ったり、道に捨てられてまだ使えそうなものを拾ってきたものばかりで、決して贅沢な暮らしではありませんでしたが、こうして一緒に生活できる気の合う友達と出会えることは、留学の収穫のひとつです。
シェアメイトは日本と台湾のハーフで、大学院に進んで化学を専攻し、楽しそうに学生生活を送っていました。お互いの生活を比べて、羨ましいと感じてしまうのでは・・・とブログを読んでくださっている人の中には思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれ求めているものが異なっていれば、進む道や経験することも違うことを私たちはお互いによく分かっていましたので、お互いを羨ましいと思うことはありませんでした。
私とは違う道を選んだシェアメイトとは、生活リズムも違い、お互い多忙な毎日を過ごしておりなかなか会うこともできませんでしたが、そんな中、私たちはお互いの生活を共有するルールを作っていました。週に1回は必ず一緒に過ごす時間を作り、食事をしたり、映画を観たり、出掛けたりしました。お互いの状況をシェアすると、大学院を選んだシャアメイトも、競争や研究の毎日で大変なこともたくさん経験しているようでした。共に大変な時期だからこそ、励ましあったり、グチを言い合ったりすることでストレス発散になりました。また、一見楽しそうに見えてもたくさんの苦労も経験しながら努力する友達の姿を見て、自分もまた頑張ろうと勇気をもらいました。
次回はアメリカでの就職先の決断についてお話します。