アメリカでの大学進学④

キャンパス・ライフ
大学生活は自己管理が大切

アメリカのボーディングスクールでの高校生活では、先生方に守られている感じがありましたが、大学生活はそうではなく、いろいろな人がいる環境の中、誰も「こうしなさい」とは言いませんので、勉強はもちろん、人付き合いにおいても、自立と自己管理がとても大切でした。

アメリカの大学の1年目は寮に入るのですが、高校の寮生活とは違い、誰かの許可なく自由に外出できるし、お酒も手に入る自由な環境で、アメリカの映画やドラマにあるシーンのように、クラブに通ったり、パーティーに行ったり、ショッピングに行ったり、ロサンゼルスでの生活や人付き合いはとても華やかで楽しかったです。しかし、誘惑が多く、誰も「勉強しろ」とも言ってくれませんので、“自分”をしっかり持って、オン・オフのメリハリをつけること、目標をしっかり持って取り組むことが重要でした。

私は、当時から「自分は自分、他人は他人」という考えを持っていたので、他人に対して、嫉妬したり、流されるようなタイプではありませんでした。負けず嫌いな性格ではありましたが、それは他人と比較するのではなく、自分自身の中で、最後までやり遂げたり、目標に対して頑張るというもので、大学時代も、経済学とビジネス・マネージメントのダブルメジャーをしながら、成績を落とすことなく、頑張りました。父は私が小さなころから褒めてくれるタイプではなく、何かをやり遂げたとしても、常に次のステップを求めてくるタイプでした。人は目標を持つものですが、それでも10代のころには次から次へと求めてくる父に少し不満を持ったこともあります。そのような環境で育ったこともあり、自分の目標を見定めて、自分を見失うことなく、UCLAでの大学生活を送ることができました。

アメリカの大学は卒業が大変

アメリカの大学は卒業するのが大変と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?なぜ難しいのかと言うと、日本の大学と比べて、アメリカの大学は課題が多く、毎日の予習、復習はもちろん、出席率、ディスカッションや授業中の発言などが評価に大きく反映されるからです。私自身も大学時代には授業や専攻している教授のもとで、ディスカッションや課題の提出も数えきれないほど行いました。同じ大学に通っていても、その大学を滑り止めとして受験した人もいれば、実力相応の人も、学生のレベルもバラバラです。自分よりレベルの高い学生や違うバックグラウンドを持つ学生とディスカッションをすると、使用する単語も違えば、発言力も違います。

アメリカでは約6割の学生が4年間で卒業することが難しく、4年間で卒業する学生はとても稀です。
私はなんとか4年間で大学を卒業することができましたが、当たり前のように課される予習や復習、膨大な課題など、勉強は大変でした。しかし、大学生活のオン・オフ両方で得られるものも多かったです。アメリカの大学では、入学後すぐに学部を決める必要はなく、入学後に専攻を決めることも可能です。「大学は社会に出て働くための力をつける場所」であり、学びたいことを学べる環境が整っています。また、ディスカッションを行う授業スタイルを通して、筋道を立てて物事を考える力や、自分の意見を自分の言葉で伝える力、コミュニケーション力をつけることができました。グローバル化が進む現代では、これらの力はますます求められていく能力だと感じています。

次回のブログでは、アメリカでの就職活動についてお話します。

プロフィール
カナダ・バンクーバーで留学会社を経営しながら、
4歳と4カ月の2人の子育てをする母親です。中国人の母と日本人の父の間に生まれ、日本語、中国、そして英語のトリリンガル。中学2年生の時にアメリカに留学し、そのままアメリカで大学進学、就職しました。アメリカ留学での経験、海外での子育ての楽しいエピソードや困ったこと、日本との違いなど、現在私が経験していることもお伝えします。

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