
課外活動でチームワークや
自立心、感謝の心を学ぶ
The Athenian Schoolでは、1年間に何十時間かコミュニティサービスを行うことが必須になっています。教会でホームレスの方々に食事を配ったり、シニアホームや孤児院でお世話のお手伝いや交流を行い、社会貢献に携わることで、社会について知ることを目的に、The Athenian Schoolの生徒は必ずコミュニティサービスを行います。
私も放課後や週末を使って、コミュニティサービスに参加しました。孤児院では、同じ年くらいや私よりも小さな子たちが生活しており、生後間もなく捨てられてしまった子供や、家庭の事情で親と一緒に暮らすことができない子供たちの姿がありました。見ていてとてもつらくなりましたが、将来自分が親になることへの責任や命の大切さについて考えさせられました。日本でも昨今、子供の虐待や親が子を殺めてしまうなど、悲しいニュースをよく拝見しますが、中高生のうちからこのような社会で起こっていることを知り、少しでもそれに携わることは、将来責任を持った大人に成長するためのひとつの大切な経験だったと私は思います。

また、私はよくシニアホームにも通い、おばあさんの生活や食事などのお手伝いを行いました。シニアホームでは、目上の人への尊敬や感謝の気持ちを学ぶことができ、また何回も通って仲良くなるうちに、たくさんおしゃべりをして私の英語力も上がりましたし、またおばあさんも私にとてもよくしてくれました。「今日私が行かなかったたらおばあさんは悲しむかな・・・」と自然と責任感も生まれ、学校の決まりだから行くのではなく、自分から積極的に通うようになりました。しかし、おばあさんとも仲良くなってきた矢先、学校の関係で数日通うことができないうちに、次に行った時にはおばあさんは亡くなってしまっており、お別れの挨拶も出来ず、とても悲しい気持ちになりました。事情があって親と一緒に暮らすことができないとしても、これまで大切に育ててくれた親へのケア、そして目上の方に対しての尊敬と感謝の気持ちを持つことの重要さを学びました。
コミュニティサービスでの
社会貢献活動
コミュニティサービスを行う中で、自分が行くことにより喜んでもらえたり、自分のことを必要としてくれる人がいることを知り、また社会のことについて身をもって経験することができました。自分が必要とされることで、責任感や人を大切にする気持ちが生まれ、また、自分の人生にも感謝するようになりました。北米の教育では、勉強以外にも、コミュニティサービスや課外活動に参加する機会がたくさんあり、勉強だけではなく、社会の楽しい面も辛い面も自分自身で見ることで、人間性を育て、社会に出るための準備ができます。自分と異なる生活環境の方々の生き方や考えを知ることで、調和性や適応性、そして“Accept”する人間になれます。一方で日本の学校生活、特に中学・高校は、進学のための勉強と部活が中心で、勉強の目的はいい点を取ることです。そもそも教育の原点が最近違ってきているのではないでしょうか。最近の若者を見ても、社会で生きていく力や人生の目標を持っている子が少ないように感じます。
また、昨今の日本の子供たちは、コミュニケーションも積極的に取ろうとしなかったり、感情をあまり表に出さなかったり、人に言われたとおりに行動したり、してはいけないことも意味も考えずにダメと言われたからしないなど、考える力や気づく力がなく、まるでロボットのように感じてしまうことがあります。これでは、将来社会に出たときに、自分で考えて行動することも、周りと上手くコミュニケーションを取ることもできません。北米の教育では、様々な場や状況を用いて教育を行うことで、生徒がたくさんのことを伸び伸びと学び、吸収していく中で、豊かな人間性や社会生活に必要な力を身につけていくことができる環境が整っています。
次回は大学進学についてお話いたします。