幼児連れの渡航を相談されていると、学校の月額費用だけを見て「思ったより高い」とか「意外と安い」と話される方が少なくありません。確かにウェブサイトに載っている金額は一つの目安になりますが、実際にはそこから乖離することが多いです。年齢が低いほど、学費以外の部分で支出が膨らみやすいからです。
アメリカのデイケアやプリスクールは、都市によっても、同じ都市内でも施設によっても費用がかなり違います。大都市圏は家賃も人件費も高いため、その分月額が上がる傾向があります。一方で、郊外や大学町では比較的抑えられることが多いです。ただ、単に安い場所を選べばよいかというと、そういう話でもありません。親の生活動線や、子どもの体調、送迎の手段まで含めて考えないと、現地で動けなくなることがあります。
学費の次に見るのは送迎と時間の枠
アメリカの幼児教育施設は、半日か終日か、週何日かによって料金が変わります。さらに、何時から何時まで受け入れているかも施設ごとに異なります。7時半から受け入れるところもあれば、9時開始で午後3時には終わるところもある。その差は、親が現地でどう動くかという計画に直撃します。
特に見落とされがちなのが送迎です。幼児の場合、スクールバスが出ていることは稀で、基本的には親が連れて行くことになります。車が必要な地域ならレンタカー代やガソリン代、駐車場代も見込んでおく必要があります。公共交通機関で通える範囲に住むとなると、家賃が高くなることもあります。送迎の負担を減らそうとすると滞在費が上がり、滞在費を抑えようとすると送迎が大変になる。その兼ね合いをどこで取るかが、費用の試算を難しくする一つの理由です。
滞在費と生活費は地域差が大きい
渡航期間中の住居費は、都市によって桁が違います。ニューヨークやサンフランシスコのような都市部でアパートを借りるのと、中規模都市や郊外で借りるのとでは、同じ広さでも倍以上違うことは珍しくありません。ホテルやホームステイで済ませる場合も、地域と時期によって変動します。
食費や日用品、通信費などの生活費も積み上げると無視できない額になります。特に幼児連れだと、現地で買い揃えるものが増える傾向があります。渡航前にあれこれ持っていくと荷物が増えますし、現地調達に頼るとその分の出費がかさみます。どこまで日本から持っていくか、現地で何を買うかをある程度決めておくと、生活費の見積もりが立ちやすくなります。
長期休暇と体調不良の分
アメリカのデイケアやプリスクールは、夏休みや冬休みなどの長期休暇に入るとクローズする施設が少なくありません。年間を通して開いているところもありますが、その場合は別途サマープログラムの費用がかかることが一般的です。数ヶ月の滞在予定なら、渡航時期が施設の休みと重ならないか、重なるならどうカバーするかまで見ておく必要があります。
もう一つ、幼児連れの渡航で忘れてはいけないのが体調管理です。環境が変わると体調を崩すことが多く、現地で小児科を受診することもあります。アメリカの医療費は日本と比べて高いため、保険の補償内容と自己負担の上限を確認しておかないと、予想外の出費になりかねません。風邪ひとつでも、緊急外来にかかると数千ドル単位の請求が来ることがあります。
親の動線から逆算して見積もる
幼児留学の費用を考えるときは、学校の種類やプログラムの内容だけでなく、親がどう動くかまで含めて組み立てる必要があります。認可デイケア、プリスクール、モンテッソーリなどで料金や受け入れ時間は違いますが、どれを選ぶにしても、親の滞在費と通学距離、送迎の手段はセットで考えるべき項目です。
複数の都市や施設を比較する段階では、学校のウェブサイトで年齢別の料金表を数校確認するのが近道です。そのうえで、滞在先の家賃相場と通学手段を組み合わせて、トータルの概算を出してみる。そうすると、最初に想定していた予算でどこまで実現できそうか、どこを妥協するか、どこに予備費を残すかが見えてきます。
デイケアやプリスクールの選び方そのものについては、別ページで受け入れ体制や年齢ごとの特徴を整理しています。費用の試算と合わせて確認してみてください。

